- こわい
- I
こわい【強い】〔「怖(コワ)い」と同源〕(1)(物が)かたくて処理しにくい。 弾力がない。
「~・い毛」「~・い飯」
(2)気が強くて, こちらの思い通りにならない。 強情だ。「情の~・い奴ぢやな/阿部一族(鴎外)」
(3)疲れる。 骨が折れる。「この仕事は~・い」
(4)つよくはげしい。 たけだけしい。「疾き足をいたして~・き力をはげみて/宇津保(俊蔭)」
(5)征服するのが困難だ。 手に余る。「~・き物の怪にあづかりたる験者/枕草子 157」「坂の~・きを登り侍りしかば/大鏡(道長)」
(6)生硬だ。 こなれていない。 無骨だ。「この文の言葉いとうたて~・くにくげなるさまを/源氏(若菜上)」
﹛派生﹜~げ(形動)IIこわい【強飯】「こわいい(強飯)」の転。III「是にあるほかひの~をくふか/咄本・私可多咄」
こわい【怖い・恐い】〔「強(コワ)い」と同源〕(1)危害を加えられそうで逃げ出したい感じだ。 自分に危険なことが起こりそうで身がすくむ思いだ。「~・いもの見たさ」「~・い顔」「雷が~・い」
(2)悪い結果が予想されて不安だ。 先行きが心配で避けたい。「相場は~・いから手を出さない」「今はいいが, あとが~・い」
(3)軽視できない。 予想以上に大した力をもっている。「やはり専門家は~・い」「一念というのは~・いもので, とうとうやりとげた」
〔「おそろしい」に似ているが, それより主観性が強く, また口語的である。 「おっかない」はさらに口語的で東日本に用いられる〕﹛派生﹜~が・る(動ラ五[四])~げ(形動)~さ(名)怖いもの知らず自信に満ちて何物も恐れないこと。 また, 無鉄砲なこと。「~の新人」
怖いもの無し恐れはばかるものがなく, わがまま勝手にふるまうさま。「~の若殿」
怖いもの見たさこわいものは, かえって好奇心を刺激されて見たくなるということ。「~にのぞいてみる」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.